4人に絞られた次期米国大統領

米国人は自分の意見をはっきり言い、旗幟鮮明にする傾向がある。市や州の議員選挙の際などは家の芝生に自分が応援する候補者のプラカードを立てたり、積極的にボランティアして勝利のための電話攻勢や寄付などを行なう。

我が家の近所にも大統領選挙で民主党のオバマ候補を応援するプラカードを立てている家がある。白人が大半を占める地域で黒人候補支援を明確にするのは多少勇気がいることであるが、誇らしげに立っていた。家の持ち主はイタリア系の白人である。

今回の大統領選挙に私は米国の大きな変化を感じている。今回オバマさんが次期大統領になれるかどうかはまださだかではないが、ここまで白人を含めた多くの米国人がオバマさんを応援している状況は画期的であり、今も残る人種差別の壁が大きく壊れる可能性を感じさせる。

パウエルさんやライスさんなど黒人の国務大臣が続き、それなりの評価と実績を見せた結果も手伝っているだろうし、オバマさん自身の魅力や能力に期待する気持もあるのに違いない。いずれにしろエドワーズさんが撤退し、民主党はオバマさんかクリントンさんになる。

一方共和党の方は当初大いに期待された元ニューヨーク市長のジュリアーニさんが大きく脱落し、マケインさんかロムニーさんの競争であるが、流れはマケインさんに向かいつつある。 まだロムニーさんにもいくらかのチャンスはあるものの、マケインさんがうんと有力である。

いずれにしろ次期米国大統領はオバマさん、クリントンさん、マケインさん、ロムニーさん、この4人の中の誰かになる。熱烈な民主党員である私の友人はマケインさんは大いな強敵であると言う。女性のクリントンさんでは負けると宣言している。

彼に言わせるとオバマさんと今回撤退したエドワーズさんを副大統領候補とするチームでなら唯一マケインさんが副大統領候補に誰を選ぼうと関係なく、民主党が勝つだろうと予言する。クリントン・エドワーズでもクリントン・オバマでも弱いと言う。

いよいよ来週火曜日はスーパーチューズディと呼ばれる大票田のカリフォルニア州やニューヨーク州など全米20州が同時に自党の大統領候補者を選ぶ天下分け目の日である。オバマさんとクリントンさんの勝負の趨勢もこの日で決まる。(終わり)

[鶴亀 彰]

 

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