永遠の0(ゼロ)

素晴らしい本を読みました。百田尚樹さんという方がお書きになった「永遠の0」という本です。2006年8月に大田出版から単行本として出版され、その文庫本が2009年7月に講談社から出版され、現在まで16版を重ねているようです。価格は税別本体876円です。

本の帯には児玉清さんの「僕は号泣するのを懸命に歯を食いしばってこらえたがダメだった」との言葉がありますが、私も泣きました。書かれている内容は今から60数年前の太平洋戦争中の零戦パイロットの物語ですが、テーマは人間の愛です。

物語は当時と現在が交互に紡がれて行きます。二十六歳のフリーターの若者と二十六歳で戦死した、それまで見も知らなかった当時の実の祖父とが触れ合って行きます。著者の百田さんの構成力、文章力、その記述内容の素晴らしさに心から感銘を受けました。

私も太平洋戦争についても大分勉強した積りですが、この本に描かれている太平洋戦争の記述の正しさには深く共感しました。百田さんは1956年生まれとの事で、私よりは15歳お若いですが、太平洋戦争に対する思いは私と同じように深いと感じました。

百田さんは高校ボクシングの世界を感動的に描いた「ボックス!」という本でも有名な方のようですが、私は寡聞にして、数日前まで知りませんでした。今週初め、日本のアマゾンから一つのパッケージが届きました。中を開けるとこの本が入っていました。

これは私の若い日本の友人で海津直彦君という人がアマゾンに注文し、私に贈ってくれたものでした。短いメッセージが添えられており、「鶴亀さんを取材中のことを思い出し、この本をお送りさせて頂きます」とありました。

彼は2004年と2006年にTBSの「筑紫哲哉ニュース23」で私が取材を受けたときの音声担当スタッフでした。それ以来、彼を含め、当時の取材スタッフの皆さんとは交流が続いています。彼はまだ二十代後半ですが、最近結婚したようです。

本の内容はあえてここには書きません。是非皆さんに直接読んで感じて頂きたいと思います。きっと心が洗われる様な清清しい気持になると思います。そして日本の歴史や人間の愛情に関しても学ぶことが多いと思います。

[鶴亀 彰]

 

This entry was posted in 鶴亀彰. Bookmark the permalink.